びばうろく

不依如何事以思書之也

【Tips】#1 魔法の呪文をつくろう(1)

こんにちは、神嶌です。とあるアドベントカレンダーに登録できなかった悲しみを胸に、自分の持っているTipsを書いていきます。よろしくお願いします。

 

0 魔法の呪文をつくろう

 

花子「こんどファンタジー世界を作る事になったんだけどさ」

太郎「ほう」

花子「魔法の呪文作りたいんだ」

太郎「バルス!みたいな?」

花子「そうそう。でもさ、適当に考えたら辻褄が合わなくなりそうじゃん」

太郎「そりゃあな。現にラピュタのも結局解読されてないしな」

花子「でも言語学を真面目に勉強する気も起きないよ」

太郎「ちょっとは勉強しようぜ」

花子「良いの!僕は最低限の知識で作りたいんだよ!」

太郎「はいはい。じゃあちょっと設定考えてみようぜ」

 

1 言語ってなんだ

太郎「まず言語にはルールが必要だ」

花子「そうだね」

太郎「大体の言語には名詞・動詞・形容詞・助詞がある」

花子「英語も日本語もあるね」

太郎「うむ。具体的な語彙作りは後にして、まずこれを見て欲しい」

 

たろうは はなこに かんむりを さずける

 

花子「バカにしてるの?」

太郎「取り敢えず、これがどういう構造になっているのかを見ろ」

太郎「この文はこういう風に分解できる」

 

①たろう・は ②はなこ・に ③かんむり・を ④さずける

 

太郎「こうやって、名詞に『てにをは』がつくことで意味をなしているのだ」

花子「僕はティアラがいいな、女の子だから」

太郎「別にそれはどうでもいい」

花子「えっ……」

太郎「これは日本語の例だが、例えばファンタジー世界でよく使われるのが」

花子「はいはい。ラテン語、とか?」

太郎「ご名答。ラテン語は基本的に、これを語尾を変えることで大体実現している」

 

Paulus Mariae coronam dat. (パウルスはマリアに冠を与える)

①Paulus(パウルスは)②Maria-e(マリアに) 

③corona-m(冠を)  ④dat([彼は]与える)

 

太郎「でもラテン語は難しいから、今回はこれを極力単純化して使おう」

花子「そうだね、それがいい」

太郎「分かってるのか?」

花子「ちょっとだけ」

 

#2 魔法の呪文をつくろう(2) に続く